日本・ロシア音楽家協会 | ЯРOM |
Japan-Russia Society for Musicians | Японо-Российское общество музыкантов |
初夏に贈る ロシア歌曲の夕べ開催レポート
〜日本・ロシア音楽家協会会員による〜<2011-I>
7月6日(水)表参道パウゼで、「初夏に贈る ロシア歌曲の夕べ 〜日本・ロシア音楽家協会会員による〜〈2011-I〉」を聴いてきました。
演奏に先立ち、日本・ロシア音楽家協会会長の森田稔氏よりご挨拶があり、その中で森田氏は「ぜひロシア語の響きを楽しんでいただきたい」とおっしゃっていました。
出演くださった歌手は計7名。それぞれが2〜3曲の歌曲を披露する形で、演奏会が進んでいきました。プログラムは以下の通りでした。
川畑さんは3曲目で非常にドラマティックな表現を聴かせて下さいました。天野さんは歌いながらも、まるで朗読しているかのようで、ロシア語の響きやニュアンスがとてもよく伝わってきました。関森さんは伸びのよく、木目の細かい声が印象的で、川口さんのピアノとのバランスは抜群、心地よいアンサンブルでした。小原さんは深みのある美声と気迫に満ちた演奏で、お客様を魅了していました。
長井さんは、メゾ・ソプラノに独特の温かみ、包容力、力強さのある声が魅力的でした。筧さんの3曲目では、歌詞の内容を実際の情景として連想することができました。トリの岸本さんは歌う前から役になりきっており、また顔の表情だけでなく歌声も表情豊かで、聴き手を存分に楽しませて下さいました。
そしてアンコールとして、東日本大震災の被災地復興へ祈りを込め、出演者全員、そして会場のお客様も一緒に、《はてもなき荒野原》を合唱しました。岸本さんによる分かりやすい歌唱指導もあり、パウゼ全体が温かいハーモニーに包み込まれたひとときでした。
ロシア歌曲はあまり演奏される機会が少ないだけに、さまざまな発見があり、あっという間の1時間半でした。今後の演奏会も楽しみにしております。
(A・H)